何が変わるのか
文部科学省は2026年5月27日、令和9年度大学入学者選抜実施要項を大学等へ通知しました。総合型・学校推薦型選抜では、一般選抜と異なる観点や方法で評価することを前提に、志望する学問分野への意欲や適性等について、面接による評価を行うことが示されています。
ここでいう面接には、個人面接だけでなく、ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問などが含まれます。オンラインによる実施も可能です。一方、学校と大学の継続的な連携のもとで丁寧なマッチングが行われ、合格時の入学を確約する非公募型の学校推薦型選抜などには例外があります。既存の選抜に面接を直ちに組み込むことが難しい場合の経過措置もあるため、最終的には各大学の募集要項を確認する必要があります。
なぜ面接が必要になったのか
総合型・学校推薦型選抜は、志願者の能力、意欲、適性を、書類や活動、対話などから多面的・総合的に見る仕組みです。一般選抜の学力検査が2月1日以降に行われるのに対し、時間をかけて丁寧に評価するという理由から、それより前の実施が認められています。
ところが一部では、年内に行う選抜で学力検査の得点が過度に重視され、実質的な一般選抜の前倒しではないかと指摘されました。文部科学大臣の会見によると、令和7年度入試でも四年制大学の総合型選抜の93%、学校推薦型選抜の77%がすでに面接を実施しています。今回の変更は、少数の運用を是正し、選抜方式の違いを明確にする意味が大きいといえます。
受験生は何を準備すればいいのか
必要なのは、流ちょうに話す技術だけではありません。なぜその分野を学びたいのか、これまで何を調べ、どこで考えが変わったのか、入学後に何を確かめたいのかを、自分の経験と学問につなげて説明する準備です。
活動実績が多い人だけが有利になるとも限りません。面接は、提出書類の内容を掘り下げ、本人の考えかどうかを確かめる場でもあります。大学が公表するアドミッション・ポリシー、評価方法、過去の課題を読み、学校の先生など第三者に質問してもらうと、暗記ではなく対話として準備できます。
大学の内側で問われること
面接を置くだけで、多面的な評価になるわけではありません。質問項目、評価基準、評価者の研修、複数評価、記録、合理的配慮、不正防止、オンライン時の本人確認まで設計する必要があります。志願者が多い大学では、教職員の時間と会場の確保も大きな課題です。
とくに注意したいのは、話し方の上手さ、学校名、家庭環境など、学ぶ力と直接関係しない要素が評価へ入り込むことです。大学は評価項目をできる限り具体化し、面接結果を検証できる仕組みを持つ必要があります。
この変更を読むときの注意
『面接必須』は、学力を見なくなるという意味ではありません。各大学は学力の三要素を適切に評価する必要があり、書類、共通テスト、個別テスト、面接などを組み合わせられます。また、例外・経過措置があるため、すべての選抜が2027年度から同じ形式になるわけでもありません。
用語メモ
総合型選抜
大学のアドミッション・ポリシーに基づき、書類審査や面接などを組み合わせ、能力、意欲、適性を多面的・総合的に評価する選抜方式です。旧AO入試に当たります。
編集部の確認ポイント
- 確定していること:令和9年度実施要項は、総合型・学校推薦型選抜で意欲や適性に係る面接評価を原則求める。
- 区別が必要なこと:面接には討論、発表、口頭試問、オンライン実施も含まれ、例外・経過措置がある。
- 編集部の見立て:制度の成否は面接の有無より、評価基準の透明性と、受験生の背景に左右されにくい運用にかかっている。


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