二つの講座は何をするのか
関東学院大学の第1回は2026年8月21日、横浜・関内キャンパスで開催されます。講義、質疑、参加者同士の議論、交流を組み合わせ、社会人が教養を楽しむ場をつくります。大学の研究知と街の人をつなぐ、小さな『夜の大学』です。
関西大学のNext Journey Academyは、50歳以上を対象に、8月から12月まで全12回、定員25人で実施します。仕事の次、地域との関わり、心身の健康、人間関係などを、講義だけでなく対話とワークショップで考えます。
共通するのは、職務スキルを短期間で身に付けるだけではないことです。正解が一つに決まらない問いを、大学の知識と参加者の経験を行き来しながら考えます。
なぜ今、学び直しなのか
働く期間は長くなり、技術と職業は速く変わっています。転職や兼業、介護、地域活動、定年後の仕事など、人生の選択肢も増えました。18歳で選んだ専攻だけで、その後の数十年を支えるのは難しくなっています。
同時に、社会人の学びを『不足スキルの補充』だけにすると、変化へ適応する責任を個人へ押し付けます。文学、歴史、科学、哲学、芸術、社会問題に触れ、自分の前提を問い直す教養は、仕事の効率とは別の価値を持ちます。
大学には、資格講座では得にくい、研究者の知、資料、異なる世代との対話、問いを深める方法があります。
正規課程との違い
公開講座や社会人向けプログラムは、参加しやすい一方、学士・修士などの学位を得る課程ではない場合が多くあります。修了証の有無、履修証明プログラムに該当するか、単位になるか、費用、欠席時の扱いは、講座ごとに確認が必要です。
学位を目指すなら、社会人入試、科目等履修生、通信教育、専門職大学院など別の選択肢があります。目的が『転職に必要な資格』なのか、『専門を体系的に学ぶ』なのか、『人と考える時間を持つ』なのかで、合う制度は変わります。
大学の内側にとっての意味
18歳人口が減る中、社会人向け教育は新しい市場として注目されます。しかし、空いた教室へ講座を置くだけでは続きません。社会人が通える時間、短い単位での履修、相談、オンラインと対面の組合せ、過去の学びの認定、学位課程への接続が必要です。
教員の負担も考えなければなりません。社会人教育を一部の熱心な教員の追加業務にせず、教育設計、運営、広報、地域連携を専門職と分担することが重要です。
また、参加費を払える人だけの場にならないよう、企業の研修費、自治体支援、奨学的な枠を組み合わせる発想も必要です。
用語メモ
リカレント教育
学校教育を終えた後も、必要に応じて仕事と学びを往復する考え方。職業能力だけでなく、教養や市民としての学びを含む場合があります。
編集部の確認ポイント
- 確定していること:関東学院大学と関西大学が、対象と形式の異なる社会人向け講座を2026年に実施する。
- 区別すること:いずれも記事で扱う講座自体は正規の学位課程ではない。
- 編集部の見立て:大学は若者を一度だけ教育する場から、人生の節目で戻れる知の拠点へ変わる。


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